就労継続支援A型の現場からストリートへ──リメイクデニムが繋ぐカルチャーと仕事

就労継続支援A型事業所──その響きからは福祉や支援をイメージできる、どこかソフトな印象で受け取られがちだ。でも、実際にそこから生まれているモノには、驚くほどラフで、タフで、リアルなストリートカルチャーがある。

今回の記事は、就労継続支援A型事業所のMirrime(ミライム)で制作されたリメイクデニムを紹介します。その仕上がりは、アメ村の空気と奇跡的な親和性を見せる。解体と再構築、ほつれ、切り替え、異素材ミックス──クラフトというより、ほとんど再設計。作ったのは、ものづくりの現場で働く利用者さんたちだ。


アメリカ村の街中をリメイクデニムで歩く利用者さんたち。就労継続支援A型事業所の作品がストリートに溶け込む瞬間。

アメリカ村、通称アメ村。大阪カルチャーの混沌と自由を象徴するこの街で、彼らが手がけたリメイクデニムを着て撮影を決行した。金曜日の昼過ぎの三角公園は、人も音も熱もすべてが混ざり合う。そんな中、無骨なシルエットと手の跡が残るジーンズは、まるで最初からそこにいたかのように、街と溶け合っていた。

リメイクデニムの宣伝撮影中。ハードなクラッシュ加工とグリーンの切り替えがアメ村の背景に映える。

観光客、地元の若者、スケーター、古着を掘りに来た人々──そんな街の喧騒の中に、リメイクデニムをまとった私たちがふらりと現れる。もちろん、すぐに人目を引いた。スマホを構える人、足を止める人、声をかける人。まるで自然発生的に起きたストリートスナップのような空気だった。

自分たちのデニム作品がどう見えるか、どう届くか、街の空気とどう混ざるか。それを肌で感じることができる今回のようなロケーション撮影は、利用者さんにとっても、ひとつのリアルなアウトプットの場になっただろう。


大阪・Big Step前での撮影風景。就労継続支援A型事業所のプロダクトがリアルなストリートカルチャーと交差する。

アメ村Big Step前で撮影されたリメイクデニムのスタイリング。ストリートファッションとものづくりの融合。

個性的なリメイクデニムを着用したモデルが階段に座り込むスタイルカット。撮影地は大阪アメ村・Big Step。

ただ古着を切って縫っただけじゃない。制作の背景には、利用者さんたちの日々の積み重ねがある。試行錯誤しながらミシンに向かい、職員と相談しながら細部を調整していく。

作業工程はハードだが、そのぶん完成した時のプロダクトには、どんなブランドアイテムにもない“現場の温度”が宿る。そして、モノを作る手が、やがてカルチャーとつながっていく。そのプロセスを見せてくれる時間だった。


利用者さんの声
やっぱり、アメ村の空気の中を歩いてみて、自分が作ったリメイクデニムにどれくらい人が反応するのか、リアルにわかった。ジロジロ見られるのも、立ち止まってスマホ構えられるのも、全部フィードバックだと思った。次の作品、もっと面白い方向にいけそうなヒントが見えた。



リメイクデニムというプロダクトを通じて見えてきたのは、就労継続支援A型事業所のMirrime(ミライム)という場所のポテンシャル。そこには、ものづくりの現場としての熱量と、働くことの意味を再定義するヒントがあります。障害者雇用の枠組みでありながら、そこで生まれるアウトプットは、ストリートとちゃんと地続きです。ファッションとして、文化として、そして仕事として機能している。

もし、「自分にも何かを作れるかもしれない」、「誰かと何かを形にしたい」と思うなら。まずは見学に来てほしいと思っています。Mirrime(ミライム)には、その入り口が開かれています。

ストリートに通用するものづくりを仕事にする。
そんな選択肢が、ここにはあります。



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大阪市中央区にある就労継続支援A型事業所 Mirrime(ミライム)は、社会で生きづらさを感じている方に寄り添い、一般就労に向けた支援を行っております。
お仕事内容:動画編集・ものづくり・軽作業・清掃業務・その他業務
一人ひとりの得意や適性に合わせたさまざまな業務をご用意しております。