大阪・森ノ宮にある就労継続支援A型事業所 Mirrime(ミライム)では、今日もミシンの音がやさしく響き、窓から差し込む光が作業台をあたためている。
就労支援A型 特徴 として語られる「安定した働き方」や「技術習得」という言葉だけでは表現しきれない、利用者さん一人ひとりの“手の動きそのもの”が、この場所の空気を作っている。

今回制作したのは、デニムをアップサイクルして作るスマホケース(スマホショルダー)。Usedデニムの色落ち、ポケット跡、ステッチの表情をそのまま活かしつつ、内側には柔らかい布を丁寧に縫い合わせる。「同じものが二つとない」Mirrimeらしい表情豊かな作品が生まれた。

■ デニムを縫う手元に宿る、集中と工夫の時間
作業台に置かれたデニム生地の上を、ミシン針が一定のリズムで進んでいく。デニムは厚みがあるため、糸調子のわずかなズレで縫い目が歪みやすい。利用者さんはミシンを止めては、布端の噛み合わせや縫い代を確認し、微調整を繰り返す。“厚みを合わせるだけ”に見える作業にも、実際は小さな判断の積み重ねがある。

「ここ、もうちょっと寄せたほうが綺麗になるかな」「縫い目のラインを一定にしたい」そんな声が作業室に流れ、ゆっくりと作品の形が整っていく。
■ Mirrimeタグがつく瞬間、作品は“誰かの手に届くもの”へ

デニムの表面に Mirrime の刻印タグが縫い付けられる。このタグは、ただのパーツではなく、“責任と誇り”の象徴。写真の中でタグを縫い付ける利用者さんの手元には、慎重さと喜びが混じった、とても温かい表情が宿っていた。
■ 裏地合わせ──一番難しいけど、一番楽しい工程

スマホケースの形が見えはじめるのは、裏地と外側を合わせる瞬間だ。デニムの厚みと裏地の柔らかさは性質がまったく違う。だからこそ、少しのズレが形に現れやすい。裏地を筒状に縫い、外側と重ねるとき、
利用者さんは両手でそっと形を整えながら、何度も確認する。「ここ、もう少し余裕をつけたらスマホが入れやすくなる」「縫い代が一定だと見た目がきれいになるね」小さな発見が会話の中で共有され、それがまた技術として積み重なっていく。裏返した瞬間、布の中からふわりと形が現れる。このひと手間が、Mirrimeのスマホケースに宿る“手仕事の温度”だ。
■ 利用者さんの声
「デニムの厚さで縫うのが難しいところもあったけど、裏地を合わせたときに形がピタッと決まるのが気持ちよかったです。スマホが入ったときの感じも想像しながら作れたので、完成したときは嬉しかった。」
■ 職員の声
「スマホケースは、サイズが数ミリ変わるだけで使い心地が変わります。デニムと裏地の合わせ方、縫い代の扱い方など、利用者さんが一つひとつ試行錯誤しながら覚えていく工程がとても大切です。完成した作品には、その学びがしっかり反映されています。」
■ 作品が“働く実感”につながるということ
今回のスマホケース制作では、裁断・縫製・裏地合わせ・タグ付けまで、すべての工程に利用者さんの集中と工夫が宿った。スマホを入れたときのフィット感、デニムの質感、裏地の可愛らしさ。一見小さな作品でも、その中には “やってみて気づいたこと” がぎゅっと詰まっている。Mirrimeのものづくりは、単なる作業ではなく、「働くことを体で理解するプロセス」 そのもの。大阪の街で見かけるデニムとはまた違う、現場の手仕事が生み出すリアルな質感がここにはある。
■ 見学のご案内
就労継続支援A型事業所の利用を検討されている方は、見学を随時受付しています。「大阪 就労継続支援A型 募集」「障害者 就職支援 A型見学」を探している方、ものづくりが好きな方や興味がある方は、ぜひ一度 Mirrime の現場をご覧ください。制作風景を見ることで、作業内容や職場の空気をより具体的に感じていただけます。
