このファインアートを手がけたのは、障害者雇用枠での社会参加を見据えながら、就労継続支援A型事業所のMirrime(ミライム)で創作と技術を磨くアーティストです。就労継続支援A型は雇用契約を結び働くこの制度は、本来福祉的就労と呼ばれるカテゴリに属しているが、ここは、その枠組みを訓練場としてではなく、創造と接続の実験室=表現のラボへと再定義しています。今やMirrime(ミライム)は創造のインフラになりつつあります。

潮の満ち引きによって形を変え、時には完全に消えてしまうその儚い性質は、もはや固定されたワンシーンではなく、時間と環境の変化によって生じた一瞬の現像です。こうした刻々と変化する自然の美しさに向き合うことで、アート制作は新たな表現の扉を開きます。
デジタル時代の私たちは、アップデートと変化が当然のものとして受け入れられている一方で、アートの世界では「作品=完成品」という固定観念が根強く残ってきました。
本記事では、70年代の哲学者ベイトソンが提唱した「気持ちと環境の相互作用理論」を手がかりに、完成形に固執せずに変化を楽しむアートの可能性を紐解きます。流動する自然環境と共鳴しながら、時間とともに変容する美しさを作品に取り入れる具体的なアプローチをわかりやすく紹介。これから新たな表現を模索するあなたに、刺激的な視点と実践的なヒントを提供します。
ベイトソンって誰?
70年代、哲学者グレゴリー・ベイトソンは「気持ち」と「環境」が複雑に絡み合うシステムであることを提唱しました。彼の洞察は、変化を含む環境とアートの対話を再考するヒントになります。ベイトソンの理論は、静止した作品ではなく、時間の流れと共に変容し続ける生きたプロセスとしてのアートの可能性を示しています。つまり、環境の変動は作品の一部であり、それを積極的に取り込むことで作品はより深い意味を獲得するのです。
変化を楽しむ方法
こうした作品を制作する際、アーティストは自然のリズムを念頭に置きつつ、素材選びや構成に変動を織り込みます。例えば、風や光の変化、潮の満ち引きなど、環境の影響を計算に入れた設計が求められます。また、写真や映像といった時間軸を表現できるメディアを活用することで、変化をドキュメント化し、作品の持続性を拡張することも可能です。完成を一点でとらえず、変化し続ける過程を楽しむ視点が、制作の新たなスタンダードとなるでしょう。
流動する現代美術
現代のクリエイターは、こうした「変化と共鳴する」表現を積極的に探求しています。自然の動きと共振し、時間軸のなかで意味を変えていく体験型アートやデジタル作品が増え、アートの境界はますます拡張されています。波打ち際の儚さと流動性をテーマに据えた表現は、静的な美学に新風を吹き込み、未来のアートの可能性を示していると言えます。
利用者さんの声
静かな海辺で過ごした、ひとときの記憶を思い出しながら描きました。波が寄せては返すそのリズムに、気持ちがすっと軽くなるような気がして。見る人にも、少しでも気持ちが落ち着くような時間を届けられたら嬉しいです。青からピンクに移り変わる色も、心の移ろいを表しています。
自然の揺らぎに意識を重ねれば、私たちの内側にも、まだ形にならない創造の鼓動があることに気づくはずです。アートは完成という一点に向かう旅ではなく、その変化のプロセスこそが、いま最も自由で、最も開かれた表現領域になっています。
変化を受け入れ、自分らしい表現を社会とつなげていく。そのプロセスを支えるのが、就労継続支援A型事業所という選択肢です。Mirrime(ミライム)は創作活動を実践の場と捉え、障害者雇用の未来を更新していく場所です。アートが得意な方、自分の感性を活かして働きたいと感じている方にとって、Mirrime(ミライム)は「自分らしく働く」ための第一歩となるかもしれません。興味のある方は、ぜひ一度、扉を叩いてみてください。
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