事業所の片隅でカタカタとキーボードを打つ音。モニターにはカット素材、著作権フリーのBGM、そして謎の効果音がPremiere Proのタイムラインに並んでいた。ここが、彼の職場だ。SNSに転がる1分動画、イベントの記録映像、TikTok用のショート─、誰が撮ったか知らないけど、いつの間にか見ているあの映像たちは、こういう場所から生まれています。
<目次>
1. 動画編集を始めたきっかけ
2. ふだん、どんなスタイルで仕事してますか?
3. 新しい案件、来ちゃいました。
4. 今後やってみたいことはありますか?
5. 読者へのメッセージ
1. 動画編集を始めたきっかけ
きっかけ? 友達のノリに乗っかっただけなんだけど、気づいたら仕事になってました。最初は、ただの誘われた側だったーー。
友人が会社を立ち上げたって聞いて、「へぇ、面白そうじゃん」くらいの軽い感じで顔を出して、そしたら、その場の空気がやけにリアルで。カメラとか、編集ソフトとか、触ったことない世界なのに、みんな妙に本気で。それが逆に火をつけた。
気づいたら、「ちょっと手伝うよ」が「任せてもらっていい?」になってて。誰かに教わりながら、いろんな動画を作ってるうちに、それがそのまま仕事になっていきました。計算もしてないし、最初から狙ってたわけでもない。でも、そういう自然発火的な始まり方って、たぶん一番タフなんだと思う。
2. ふだん、どんなスタイルで仕事してますか?
まずは素材チェックから始めて、どんな雰囲気の動画に仕上げたいのかをイメージします。クライアントさんの指示書を確認して、それから編集に入ります。
時間を区切って集中するようにしていて、「編集→確認→微調整」っていう3ステップを1セットにして進めてます。
こだわるところは、「見やすさ」と「間」ですね。テンポが良くても、情報が詰まりすぎてると見てる人は疲れるので、間を置くところはしっかり置く。あとは色味。カラグレは派手すぎないけど、世界観をちゃんと伝えられるようにしてます。
3. 新しい案件、来ちゃいました。
昼休みが終わって、空気がちょっとだけ静かになった頃。メールボックスを見ていたら
「【契約書】◯◯のご依頼につきまして。」
ただそれだけの文章なのに、なんかグッときた。この場所では、そのひとつのメールが小さな事件になるって、知ってるから。
「できること」を、「仕事」として回していく。誰かの役に立って、ちゃんとお金が動く。そのサイクルがまた一つ、ここで回り始めた瞬間でした。思うんだけど、社会との接点って、たぶん「案件」みたいなものなんだよね。単なる仕事じゃなくて、自分がどれだけ本気で返せるかが試される場。今回の案件だって、納期もあるし、やり直しもある。全然ぬるくない。でも、だからこそやりがいがある。「誰かの本気に、自分の本気で応える」それって、いちばんフェアで気持ちいい関係だと思っています。
4. 今後やってみたいことはありますか?
ずっと誰かの依頼をこなしてきたけど、今年は「自分が伝えたいこと」だけで映像を作るのもやってみたいんです。狙うのは、1~2分のショートフィルムです。なんだかよくわかんないけど、気持ちが動くやつ。誰かのための編集も楽しいけど、自分の感覚だけでゼロから映像を作ってみたくて。映像の力って、まだまだ可能性あると思うんです。
5. 読者へのメッセージ
編集の面白さって、「これが正解」って誰にも決められないところにあると思う。だからまずは、深く考えずに遊んでみてほしい。気づけば、自分なりの答えを探しにいってるはずだから。
案件の契約は、ただの通過点。この通過点を何度も超えていくことで、Mirrime(ミライム)の名前が、しっかり仕事をする事業所として広がっていきます。就労継続支援A型とクリエイティブな動画編集、その交差点で今日もまた誰かが、次の一歩を踏み出しています。次に動くのは、たぶんあなたの番かもしれません。